本サイトは髄膜炎菌感染症の啓発を目的として一般の方を対象としております。

どんな症状?

  • TOP
  • どんな症状?

主な症状

熱や頭痛、吐き気など、最初は風邪に似た症状をしめします。
その後、急に悪化し、たった数日で意識がなくなることもあります。

侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)の発症初期は、風邪に似た症状のため、診断が難しく、早期に適切な治療を受けにくい病気です。髄膜炎菌は、健康な人の鼻やのどの奥にも存在することがありますが、体力が低下している時や、免疫系の疾患などがある場合には、血液や髄液に菌が侵入し、その結果、菌血症や敗血症、髄膜炎になることがあります※1
発症後12時間以内は発熱、頭痛、吐き気など風邪のような症状ですが、発症後13〜20時間ごろには皮下出血や発疹が出たり、息が苦しくなったり、光を異常にまぶしく感じるなど、普段とは違った症状が起こりはじめます。そのまま放っておくと意識がなくなったり、けいれんを起こし、命に関わる状態になってしまうこともあります。

侵襲性髄膜炎菌感染症の病型※1
侵襲性髄膜炎菌感染症の病型
重症なIMDの典型的な症状と発現時期※2
重症なIMDの典型的な症状と発現時期

※1 国立感染症研究所感染症疫学センター 病原微生物検出情報 月報 Vol.34, No.12(No.406)2013年12月発行より作成
※2 Thompson MJ, et al.: Lancet 367; 397-403, 2006より作図

特徴

侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)の特徴は、
「気づきにくい」「進行が早い」「死亡率が高い」ことです。

1. はじめの症状が風邪に似ているので、
自分で判断しにくい。

侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)は、最初は発熱、頭痛、吐き気などの軽い症状なので病気の判断がしづらく、「風邪かな?」と軽く考えてしまいがちです。そのため、病気の早い段階で治療を受けることが難しいと言われています。

2. 症状の進みが早く、たった1-2日で命に関わる状態になってしまう。

世界保健機関(WHO)は、侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)の治療を行わない場合、50%※1が死亡すると報告しています。適切な治療を受けた場合でも、発症後24〜48時間以内に5〜10%の患者が死に至ります。
髄膜炎菌は放っておくと血液や髄液のながれにのって体中に回ってしまい、症状がどんどん悪化していきます。他の細菌と比べての100〜1000倍の毒素を出すため症状の進みが早く ※2、「風邪かな?」と思ってから1-2日以内に意識がなくなったり、ショック状態になりそのまま亡くなってしまうこともあります。日本の最近のデータによると、発症後に死亡する割合は19%※3となっています。

3. 後遺症が残る確率が高い。

侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)は、早く気づいて適切な治療を受けて回復した場合でも11〜19%の割合で壊疽により手足を切断したり、耳が聞こえにくくなったり、言語障害や知能障害などの後遺症が残ってしまうことが報告されています※4

侵襲性髄膜炎菌感染症に
かかった患者さん ※5
侵襲性髄膜炎菌感染症に
																		かかった患者さん
後遺症

More Information

「髄膜炎」と「髄膜炎菌」の関係

髄膜と髄液※6
髄膜と髄液

脳と脊髄はとても傷つきやすく、体の中でもとくに大事な部分なので、揺れやショックから守るために「髄液」とよばれる液体の中に浮かんでいます。この髄液ごと脳や脊髄を袋のように包み込んでいるのが「髄膜」です。
この髄膜を通り抜けて髄液に菌やウイルスが入り込み、髄膜や髄液に炎症を起こした状態が「髄膜炎」です。
髄膜炎を起こすのは、髄膜炎菌だけではありません。髄膜炎は、原因から大きく2つに分けられます。菌が原因の「細菌性髄膜炎」と、そのほかのウイルスなどが原因の「無菌性髄膜炎」です。
小さなお子さんがいらっしゃる方は、ヒブ(Hib:インフルエンザ菌b型)や肺炎球菌という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これらの菌も髄膜炎菌を引き起こす原因となります。5歳未満のお子さんが感染しやすいため ※7、感染予防のためにワクチンの定期接種が行われています。
髄膜炎菌でおこる「髄膜炎菌性髄膜炎」は、人から人へと感染する力が強く、あっというまに集団感染を引き起こす ※8ことから、別名「流行性髄膜炎」とも呼ばれています。日本ではヒブや肺炎球菌による髄膜炎よりも患者さんが少ないため知名度は低めですが、感染した場合には重い症状が出る、危険性が高い病気です。髄膜炎菌から身を守るにはワクチン接種による予防や早期発見が大切なので、病気についてあらかじめ知っておく必要があります。

細菌性髄膜炎と無菌性髄膜炎
閉じる

※1 WHO fact sheet No 141 Meningococcal meningitis:
http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs141/en/(2016年4月19日アクセス)
※2 林英生、岩本愛吉、神谷茂、高橋秀実 監訳:ブラック微生物学第2 版, P761, 丸善, 東京, 2007
※3 国立感染症研究所 病原微生物検出情報(IASR Vol. 36 p. 179-181: 2015年9月号)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/id/738-disease-based/sa/bac-megingitis/idsc/iasr-news/5864-pr4271.html(2016年4月19日アクセス)
※4 Rosenstein NE et al:N Engl J Med 2001; 344(18):1378-1388
※5 Photo reprinted with permission from Schoeller T, Schmutzhard E, N. Engl J Med. 2001;334(18):1372
©2001 Massachusetts Medical Society
※6 Tunkel AR, van de Beek D, Scheld MW. Acute meningitis. In: Mandell GL, Bennett JE, Dolin R, eds. Mandell, Douglas, and Bennett’s Principles and Practice of Infectious Diseases. 7th ed. Philadelphia, PA: Churchill Livingstone Elsevier; 2010:1189-1229、Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Meningococcal disease—signs and symptoms.
http://www.cdc.gov/meningococcal/about/symptoms.html(2016年4月19日アクセス)より作図
※7 Morbidity and Mortality Weekly Report (MMWR) 1998; 47(46): 993-8
※8 大谷明, 三瀬勝利, 田中慶司 著:ワクチンと予防接種の全て, P118-119, 金原出版株式会社, 東京, 2013
※9 細菌性髄膜炎の診療ガイドライン作成委員会:細菌性髄膜炎の診療ガイドライン, P11, 医学書院, 東京, 2007
※10 Infectious Disease Surveillance Center「感染症の話」
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_12/k03_12.html(2014年3月17日アクセス)

「よくわかる髄膜炎菌」のサイト外へ出ます。

最終更新日:2016年8月4日