IMDの発生が多くみられるアフリカ中部は「髄膜炎ベルト」と呼ばれています※1。
また米国、オーストラリア、英国、カナダなどの先進国でも流行を繰り返しており※2、これらの国々へ留学する際は予防接種を求められることもあります。
世界的には人口の3~25%が髄膜炎菌を保菌しているとされますが、日本の過去の調査において保菌率は0.4%と低い値でした※3。そのため、海外に行く日本人は免疫を持たずに他国で過ごすことになります。特に留学の場合は、寮生活をする場合はもちろん、寮生活をしない場合においても積極的に人とのコミュニケーションをとるケースが多く、感染症の知識、予防が求められます。
日本渡航医学会では髄膜炎菌ワクチンの接種対象者として以下の人たちを挙げています※4。
● メッカ巡礼に際してサウジアラビアへ渡航する者は、接種が義務付けられている
● アフリカ髄膜炎ベルト地域などの流行地へ渡航する者
● 定期接種国へ留学する者
● 寮生活など集団生活を送る者
- ※1 World Health Organization Meningococcal meningitis Fact sheet No.141, Nov. 2012
- ※2 Morbidity and Mortality Weekly Report (MMWR) 62(2):4, 2013
- ※3 田中博 他.:感染症誌 79:527-533,2005
- ※4 日本渡航医学会作成 海外渡航者のためのワクチンガイドライン/ガイダンス2019改訂版