IMDの発症はアフリカの髄膜炎ベルト地帯で多くみられます。

侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)の発症はアフリカ中部で多くみられます。その地域は東西に広がり、ベルトのように細長いことから「髄膜炎ベルト地帯」と呼ばれています※1。WHOによれば、2014年の流行期にはサーベイランスを実施したアフリカの19カ国において、1146人の死亡を含む、11,908人の発症(疑いを含む)が報告されています※2。
IMDの発症が先進国でも報告されていることをご存知ですか?

侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)はアフリカ中部特有の病気であり、衛生環境の整った日本では縁のない病気と考える人もいるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。髄膜炎菌の種類と分布は地域によって異なり、IMDは先進国を含む世界各国で報告されています。

アメリカ疾病予防管理センター(CDC:Centers for Disease Control and Prevention)によると、米国では2005〜2011年に年間800〜1200名もの髄膜炎菌性髄膜炎が報告されています※15。2013年11月には、サンディエゴでスポーツプレーヤーとして活躍していた健康な大学生がIMDを発症しました。一命を取り留めたものの、IMDにより全身への血液のめぐりが悪くなり両脚を切断しなければなりませんでした。この時の流行で、他3名の大学生がIMDを発症したことがわかっています※16。
また、イギリスでは2009年から血清群W髄膜炎菌によるIMDの流行が起こっており、感染者が継続的に増加しています。
日本においても、国際化に伴い、国外から髄膜炎菌が持ち込まれる可能性は年々高まっているのです。
