本サイトは髄膜炎菌感染症の啓発を目的として一般の方を対象としております。

皆さんに伝えたい vol.2患者さんとその家族の物語

子どもの発熱時には
しっかりと様子を見て

~早めに異常に気付いて対応することが大切~
2017年2月に、当時4歳のお子さんがIMD(侵襲性髄膜炎菌感染症)を発症しました。
今回は患者さんのお母さんに、発症当時から治療により回復するまでを振り返っていただきました。

人物紹介

Mさん

Mさん

兵庫県神戸市在住

小学校2年生と5歳の娘さんのお母さん。5歳(当時4歳)の娘さんがIMD(侵襲性髄膜炎菌感染症)を発症したものの、現在は退院し、後遺症もなく元気に幼稚園に通っている。

風邪と見分けが付かない
発症当初の症状

お子さんがIMDを発症した当日の様子を振り返っていただけますか?

発症前日までは本当に元気でした。当日の早朝4時か5時くらいに嘔吐して寒気を訴えたのですが、最初は風邪と思っていました。
7時に熱を測ったら38度あり、幼稚園は休ませて、かかりつけのクリニックにかかるまで寝かせていました。

クリニックを受診した際はどのような感じでしたか?

2月という季節もありインフルエンザ検査を受けましたが、陰性でした。お腹に発疹が1つあって、白目の部分が充血して赤くなってきたのですが、ひとまず帰宅して様子を見ることになりました。お昼にヨーグルトやゼリーを食べており、その時点まではよくある風邪のような症状でした。

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急変する症状、
意識障害も起こして救急搬送へ

帰宅後、症状はどのように変化していったのでしょうか?

これまでほとんど発熱したことがなかったのですが、熱が高くて何回か(熱性)けいれんを起こしました。いままで見たこともない娘の様子に不安になりました。
午後3時くらいから意識障害を起こして目線が合わなくなったり、空中を手で掻いたり、意味のわからないことを言ったり、明らかに風邪やインフルエンザとは違うとわかりました。車でクリニックに行こうにも娘を1人では座らせられないので、ママ友に来てもらって連れて行こうとしたら、玄関でまた嘔吐したのです。もうパニックになってしまい、救急車を呼ぶことになりました。

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なかなか確定しない診断、
後遺症も不安

救急搬送されてからも心配な状況が続きましたね。

先生からは「髄膜炎を疑っての入院になります」と伝えられましたが、髄膜炎のことはよくわかっていませんでした。後遺症が残るかもしれないという怖いイメージがあり、隔離病室で娘の側に付いているときも、もう歩けなくなってしまうのではないかとずっと思い詰めてしまいました。診断が確定したのは入院翌日の午後8時くらいだったのですが、その後も怖くて髄膜炎についてインターネットで検索して調べることはできませんでした。

入院後、症状はどのように変化しましたか?

入院することになって荷物を取りに自宅に帰ったのですが、1、2時間して病院に戻ったら娘がいっぱい管をつながれている状態にもかかわらず、オムツは嫌でトイレに行きたいと言い始めて、ちょっと安心しました。
入院から2、3日は顔に紫色の発疹が増えて少し心配になりましたが、熱が高くてうつろではあったものの入院翌日から食欲もあって、意識もハッキリしてよくしゃべっていました。熱が下がってからは、紫色だった発疹に赤みが出てきたのですが、全身に発疹が広がっていました。3、4日後には動けるようになって、回復に向かっていると安心できました。

お子さんやご家族はどのようなお気持ちだったのでしょうか。

娘は入院当初、足に力が入らなかったらしく、「このまま歩けないの?」と私だけではなく、看護師さんにも聞いていたようです。私も病室では泣いてしまいそうになりながら、「大丈夫、元気になる」と励ましていたものの不安でした。
上の娘はやはり不安がっていて、病室には入れないから写真を見せたのですが、泣いてしまって…。怖くて病院には行きたくないと話していました。

今ではもうすっかりお元気になったそうですね。

入院していたことを忘れてしまうぐらい元気になってくれました。退院から1カ月後に検査して全く問題なかったので、本当に安心しましたし、後遺症も残らなくて本当に良かったです。

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幼稚園でも一斉メールで予防投与

ご家族や周囲の方々に抗菌薬の予防投与が行われたと聞きました。

診断が確定したのは休日だったのですが、休日にもかかわらず幼稚園の一斉メールで緊急説明会の案内が来たときは、大変なことになっていると驚きました。同じクラスの子どもたちはみんな予防投与を受けたとママ友から聞きました。

お子さんが元気になってから振り返って、あらためて感じたことはありますか?

病院の先生方の対応が早くて、娘は奇跡的に元気になることができましたが、IMD(侵襲性髄膜炎菌感染症)は死に至る恐れのある病気です。子どものちょっとした発熱は大したことにならないという感覚がありましたが、しっかりと様子を見ることが大事だと実感しました。
髄膜炎菌のことは、一般にほとんど知られていません。いざ発症したときに、知識があるのとないのとでは全然違うので、どういった症状があるのかなどを多くの方々に知っていただきたいと思います。

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