「髄膜炎」と「髄膜炎菌」の関係
髄膜と髄液※1

脳と脊髄はとても傷つきやすく、体の中でもとくに大事な部分なので、揺れやショックから守るために「髄液」とよばれる液体の中に浮かんでいます。この髄液ごと脳や脊髄を袋のように包み込んでいるのが「髄膜」です。
この髄膜を通り抜けて髄液に細菌やウイルスが入り込み、髄膜や髄液に炎症を起こした状態が「髄膜炎」です。
髄膜炎を起こすのは、髄膜炎菌だけではありません。髄膜炎は、原因から大きく2つに分けられます。細菌が原因の「細菌性髄膜炎」と、そのほかのウイルスなどが原因の「無菌性髄膜炎」です。
小さなお子さんがいらっしゃる方は、ヒブ(Hib:インフルエンザ菌b型)や肺炎球菌という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これらの細菌も髄膜炎を引き起こす原因となります。5歳未満のお子さんが感染しやすいため※2、感染予防のためにワクチンの定期接種が行われています。
髄膜炎菌でおこる「髄膜炎菌性髄膜炎」は、人から人へと感染する力が強く、あっというまに集団感染を引き起こす※3ことから、別名「流行性髄膜炎」とも呼ばれています。日本ではヒブや肺炎球菌による髄膜炎よりも患者さんが少ないため知名度は低めですが、感染した場合には重い症状が出る、危険性が高い病気です。髄膜炎菌から身を守るにはワクチン接種による予防や早期発見が大切なので、病気についてあらかじめ知っておく必要があります。
